
【倒木直前撮影】坂本龍馬とおりょうを結んだ御神木|京都・武信稲荷神社の“縁の木”【パワースポット/天然記念物】
🟤推定樹齢850年【エノキ】
武信稲荷神社(京都市中京区)
2024年5月24日倒木
<2025年05月27日 12時39分共同通信>
京都市中京区の武信稲荷神社で、樹齢850年とされる市指定天然記念物の神木が倒れたことが27日、神社への取材で分かった。けが人はなかった。腐食が原因とみられる。神木は幕末、坂本龍馬が妻おりょうに自身の生存を知らせようと、幹に「龍」と彫ったとも伝わるという。 神社によると、神木は高さ約23メートル、幹回り約4メートルのエノキ。24日午前11時半ごろに大きな揺れと音があり、幹が地上4メートル付近で折れていた。本殿に倒れたため屋根などが壊れ、枝が落ちた衝撃で石畳もめくれて散らばった。
京都・中京区に鎮座する「武信稲荷神社」は、平安時代の貴族・藤原良相が延命祈願のために創建した古社です。以来、名付けの神、縁結びの神として知られ、数多くの人々に信仰されてきました。
この神社の境内には、ひときわ目を引く大樹がありました。高さ約23メートル、幹周り約4メートル、枝は四方に広がり、まるで森のような風格を備えたエノキの御神木です。平安時代末期に平重盛が宮島から移した苗木が起源とされ、その樹齢はなんと850年。京都市の天然記念物にも指定されていました。
この御神木は、幕末の志士・坂本龍馬とその妻・おりょうの「伝言の木」としても知られています。当時、龍馬は幕府に追われる身で、恋人おりょうともなかなか会うことができませんでした。そんな中、二人が何度も訪れていたこの神社で、龍馬は大榎の幹に自身の字で「龍」の一文字を刻みました。「自分は生きている。ここにいる」とのメッセージを、おりょうに伝えるためです。
やがておりょうが再びこの地を訪れたとき、木に刻まれた「龍」の字を見つけ、ふたりは無事に再会を果たしたといいます。その逸話から、この木は「縁の木(えんのき)」と呼ばれ、縁結び・恋愛成就のご利益があるとされ、多くの参拝者が訪れるようになりました。
また、御神木には弁財天が宿るとも伝えられ、健康長寿・病気平癒の霊験あらたかとされています。かつては木に手をあて、その力を感じながら体をさする参拝者も後を絶ちませんでした。
しかしながら――2025年5月、長年人々を見守ってきたこの大エノキが、突然倒壊しました。根本の腐食が原因と見られていますが、まさに神代から続く時間の重みによるものでした。
今もなお、その幹には「龍馬の伝言」が刻まれていたという伝承が残り、命あるものの儚さと、愛と祈りの深さを伝えてくれます。
所在地:〒604-8801 京都府京都市中京区今新在家西町38
TEL:075-841-3023
アクセス:
・阪急「大宮駅」から徒歩5分
・JR「二条駅」から徒歩10分
・地下鉄「二条城前駅」から徒歩10分
・市バス「みぶ操車場前」から徒歩3分
🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より
🟤ご紹介した御神木【エノキ】の“あった”場所

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