
関東随一の巨木にして日本三大カヤで名高い【推定樹齢1100年】与野の大カヤ
🟤千年のカヤ ー神域の記憶 埼玉県の名木
推定樹齢1100年
与野の大カヤ(埼玉県さいたま市)
埼玉県さいたま市にある「与野の大カヤ」は、日本三大カヤのひとつに数えられる、関東随一の巨樹です。日蓮宗・妙行寺の門前にそびえるこのカヤは、平安時代の長元年間(1028〜1037年)に植えられたと伝えられ、推定樹齢は1100年を超えるとされます。幹周7.28メートル、樹高21.5メートルの堂々たる姿は、訪れる者すべてに畏敬の念を抱かせます。
鎌倉時代には早くも御神木として信仰の対象となり、金毘羅天を祀る「金毘羅堂」が建立されました。このことから、地元では「榧木金毘羅(かやのきこんぴら)」と呼ばれ、現在も幹には太い注連縄が巻かれています。また、1932年(昭和7年)には国の天然記念物に指定され、その重要性は国家的にも認められています。
与野の大カヤは、群馬県の横室の大カヤ、静岡県の北浜の大カヤノキと並び「日本三大カヤ」と称される格式ある存在です。住宅街に突如として現れるこの神域は、過去から現在へ、そして未来へと続く時間の柱のような存在。立地は決して自然条件に恵まれているとは言えませんが、そんな土地に千年以上生き続けるその姿はまさに奇跡の樹といえるでしょう。
周囲には、県指定天然記念物のモッコクや、松尾芭蕉の門人・鈴木荘丹の句碑なども残され、歴史と文化の深層を感じさせてくれます。古来より多くの人々が祈りを捧げたこの場所には、目には見えない「気」が今も流れています。
📍【所在地・アクセス】
与野の大カヤ(金毘羅堂)
〒338-0013 埼玉県さいたま市中央区鈴谷4-1083-1(金毘羅堂隣接)
・JR埼京線「南与野駅」西口より徒歩約10分
・JR京浜東北線「北浦和駅」→バス「鈴谷大かや前」下車 徒歩2分
・首都高「浦和南」「浦和北」出入口より車で約15分
【現地案内板】
国指定天然記念物 与野の大カヤ
所在地 さいたま市鈴谷四丁目十四番
妙行寺金比羅堂境内
大カヤは、イチイ科の常緑高木で、葉は扁平線状、革質で厚く、先端はとがっていて堅い。この木は雌株 で、四月中旬頃にひっそりと花が咲き、秋には楕円形 の実を付けます。
形状は、樹高二一・五メートル
根回り周囲十三・五メートル
目通り周囲七・ニハメートル
推定樹齢は、約一〇〇〇年です。
縄文時代より舟材として利用されるほど水に強く堅固な木として人と密接な関係にあり、応永年間(一三九四一四二七)には、関東随一の巨木として世に知 られていました。また、「榧木金比羅」とも呼ばれ、古 くから信仰の対象でもありました。
この地は、中世に「まち」の中心としてたいへん栄えていました。数世紀にわたり風雪に耐えてきた太い幹と四方に張った枝ぶりからは、「まち」の歴史を見守ってきた重厚さが迫ってきます。
昭和七年(一九三二)七月二五日、国指定となる。
さいたま市教育委員会
🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より
🟤ご紹介した名木(与野の大カヤ)のある場所

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