
岡山のパワースポット|樹齢1200年・天狗伝説の御神木「祇園の天狗大杉」
🟤樹齢1200年 この杉の皮を噛めば歯痛が治る!?
推定樹齢1200年の御神木【スギ】
祇園寺(岡山県高梁市)
岡山県高梁市の祇園寺にそびえ立つ「祇園の天狗大杉」は、地元では“天狗が羽を休めた御神木”として知られ、古来より崇敬を集めてきた巨木である。真言宗の古刹・祇園寺の鎮守社である午頭天王社の境内に立ち、弘法大師・空海が弘仁3年(812年)に手植えしたという伝承を持つ。創建とともに千年以上をこの地に根を張る、まさに“生きる霊木”だ。
杉の巨木としては県下屈指の存在で、幹周8.5メートル、根回り11.4メートル、高さ37メートルを誇る。地上4〜5メートル付近から放射状に8本の太枝を伸ばすその姿は、空から舞い降りた天狗が翼を広げて憩っているかのような威厳を漂わせる。東側の枝には“連理”と呼ばれる自然の結合が見られ、神秘性をさらに高めている。
この御神木には、昔から不思議な力が宿るとされてきた。地元では「この杉の皮を噛めば歯痛が治る」と語り継がれており、実際に木肌を求めて参拝に訪れた人も少なくない。また、千手観音に例えられる枝ぶりと堂々とした姿は、仏教的な慈悲と守護の象徴とも重なり、訪れる者の心を穏やかに包み込む。
「祇園の天狗大杉」は、まさに神仏習合の時代から続く“森の信仰”を今に伝える存在であり、ただの自然では終わらない霊的な重みを持つ。大山に向かう天狗が立ち寄ったという伝説も含め、この場所には人知の及ばぬ深淵な空気が流れている。
祇園寺は標高550メートルの祇園山の中腹にあり、車でもアクセス可能。有漢ICから車で約30分。訪れる際は、寺院関係者や地域住民への配慮を忘れず、静かにその神秘に触れていただきたい。静寂と巨樹が織りなす空間のなかに、悠久の日本霊性が息づいている。
🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より
🟤ご紹介した御神木(天狗大杉)のある場所

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