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【愛媛・四国中央】日本二位「藤原のイブキ」〜大地を這う神秘の生命力パワースポット〜

🟤生命躍動藤原のイブキ(愛媛県四国中央市)

推定樹齢300年以上【ビャクシン】
藤原のイブキ(愛媛県四国中央市)

愛媛県四国中央市の富郷町津根山、藤原集落に、見る者を圧倒するほどの生命力を放つ巨木がそびえ立っています。それが、愛媛県指定天然記念物であり、日本全国のイブキ(ビャクシン)の中でも第二位の大きさを誇る「藤原のイブキ」**です。推定樹齢300年以上、樹高約11.5m、幹周りは約9.2mにも達するその姿は、まさしく大地のエネルギーを凝縮したかのようです。

このイブキは、その驚異的な生命力が最大の魅力です。観音堂の石垣の上に根を下ろしていますが、あまりにも枝葉が生い茂りすぎて、石垣の下の道路にまで大きく張り出しています。その様はまるで、自らの存在を誇示するように、力強く大地を掴み、空へと広がる生命の躍動を感じさせます。あまりの迫力に、地元の方が「このコブすごいやろ?」と声をかけるほど、その隆々としたこぶや、生気みなぎる鱗片葉の一つ一つが、この木の並外れた樹勢を物語っています。

藤原のイブキは、その自重を支えきれないほどの巨体ゆえ、おびただしい数の添え木で支えられています。それでもなお、その幹を覆う苔の緑が隠すかのように白骨化した部分がほとんど見当たらないのは、いかにこの木が旺盛な生命力を持っているかの証拠です。この場所を訪れた行政が、イブキの枝葉が張り出しすぎたために道を広げる対応をしたというエピソードも、この巨樹が持つ「天然記念物パワー」を雄弁に物語っています。

イブキ、別名ビャクシンはヒノキ科の常緑樹で、中国や朝鮮に多く自生します。日本でも古くから神聖な木として親しまれてきました。藤原のイブキが立つ境内には観音堂があり、「安産腹おび授与します」という文字が見えることから、子安観音として信仰を集めてきたことが伺えます。この巨木もまた、長きにわたりこの地の安寧と人々の願いを見守ってきたことでしょう。

藤原集落は、銅山川の右岸に位置し、豊かな自然に囲まれています。県道6号を南下し、藤原大橋付近の案内表示を目印に進むと、その雄姿に出会うことができます。道路からはイブキ自体は少し見えにくいかもしれませんが、同じ境内にあるイチョウの木が目印になるでしょう。

藤原のイブキは、ただ大きいだけではありません。その根元の隆起、枝の力強い伸び、そして全体から放たれる生命のオーラは、訪れる人々に圧倒的なパワーを与えてくれます。全国でも指折りのビャクシン名木であり、まさに体いっぱいにパワァーをもらえる樹です。ぜひ一度、このパワースポットを訪れ、力強く生きる「藤原のイブキ」の神秘に触れてみてください。

所在地・アクセス情報

名称: 藤原のイブキ(ふじわらのいぶき/ビャクシン)
所在地: 〒799-0645 愛媛県四国中央市富郷町津根山123
入場料: 無料
駐車場: なし(車を停める際は交通の妨げにならないようご注意ください)
アクセス:
県道6号(高知伊予三島線)を南下し、藤原大橋の約1km手前(下流側)にイブキの案内表示があります。
道路からイブキは見えにくいですが、同じ境内にあるイチョウの木が目印になります。

<現地説明文>
県指定天然記念物
いぶき
 目通り 929cm
 根周り 797cm
 樹高約 11.5m

ヒノキ科の常緑樹で中国朝鮮に多く自生しています。四国に自生するミヤマビャクシンは高山地帯の岩石地に低木として成育し、葉は杉葉状のものと小燐片状のものがあり、4月ごろ燐葉のものに花をつけます、イブキはいぶきびゃしん、(伊吹柏槙) しんはく(檜柏)ともよばれています。この木は県下最大のイブキで、小豆島土庄町宝生院のものに次く日本第2位の巨木です。
 平成4年3月 伊予三島市教育委員会

🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より

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