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【御神木】下柏の大柏|地蔵を包む1200年巨木の神秘と圧倒的生命力【愛媛・四国中央市】

🟤樹齢1200年 神秘の巨柏

推定樹齢1200年【ビャクシン】
下柏の大柏(愛媛県四国中央市)

愛媛県四国中央市・下柏町に鎮座する「下柏の大柏(たいはく)」は、樹齢1200年以上と伝わるビャクシン(別名:イブキ)の巨木であり、その圧倒的な存在感は訪れる者を魅了します。国の天然記念物に指定されたのは大正13年(1924年)。以来、およそ1世紀にわたり、地域の信仰と風景の象徴として静かに佇んできました。

この巨木の特徴は、その異様なまでに捻じれた幹と、そこから力強く伸びる無数の枝。そして何よりも目を引くのが、幹の根元に開いた空洞に安置された地蔵菩薩像。江戸時代・天明3年(1783年)の寄進とされるこの地蔵は、まるで樹木自らが守護しているかのように包み込まれています。

周囲には支柱が多数設けられており、今なお枝葉は旺盛に茂り、生命力に満ちた姿を見せています。かつてこの一帯は「柏村」と呼ばれ、「柏(=ビャクシン)」の名を冠するほど、この木が地域に根ざした存在だったことがわかります。

訪問者は、都市化の波の中でも変わらず立ち続けるこの巨木に、時の流れを超える神秘と、守護の気配を感じるでしょう。まさに「日本の名木100選」にふさわしい、国を代表する御神木のひとつです。

【所在地】
〒799-0411 愛媛県四国中央市下柏町1440(旧・伊予三島市エリア)

【アクセス】
●公共交通:JR予讃線「伊予三島駅」からせとうちバス「川之江営業所」行きに乗車、「松柏」バス停下車、北に徒歩約10分(約300m)
●自動車:国道11号・一貫田交差点より西へ約1km。コンビニ(FM)付近にて路上駐車可能

<現地説明文>
天然記念物 国指定
下柏の大柏(イブキ)
 所在地 下柏町柏模一四四○番地

イブキは福島県以南に自生するヒノキ科の常緑樹で生長がおそく、このような大樹になることは、 きわめてまれである。
樹高約十五m、根の回り 一四・三m、目通り(目の高さ)八・三m
主幹は約三十度かたむいているが、地上約四mで枝を四方へ出す。
枝張りは東西二十三・三m、南北十五・三mで東南の枝が最も長い。
主幹の東側に高さ一・四mの空洞があり、内に天明三年(一七三八)の地蔵菩薩が安置され昔から信仰されている。
この木は風の強い平地に独立し、千二百年以上の長寿を保っていることは、まさに奇蹟に近いことであり、柏村の村名も
この木に由来する。
大正十三年国の天然記念物保存のため特別基金を設け、この保存育成に努めてきた。
四国中央市富郷町藤原にも県指定イブキの大樹(目通り九・二m)がある。

昭和六十三年二月
四国中央市教育委員会

🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より

🟤ご紹介した御神木(大柏)のある場所

Information

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(C)【歴史キング】×【御神木マニア】

ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania

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