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出雲大神宮の御神木「イチイガシ」|丹波国一宮に唯一現存する神秘の古樹

🟤京都最強ー元出雲の聖域

推定樹齢不明【イチイガシ】
出雲大神宮(京都府亀岡市)

京都府亀岡市の静かな山あいに、知る人ぞ知る神秘の社「出雲大神宮」が鎮座しています。この神社は、かつて「出雲神社」と称され、「元出雲」とも呼ばれた古社。島根の出雲大社よりも古いとされる社伝を持ち、創建は和銅2年(709年)に遡ると伝えられています。

この由緒ある社の境内に、一本の特別な御神木が静かに佇んでいます。ブナ科の常緑高木「イチイガシ」。幹周2.31m、樹高22.5mを誇るこの巨木は、亀岡市内で唯一確認されている貴重な存在であり、まさに“丹波の神樹”といえる存在です。

イチイガシは古来より神社によく植えられ、神霊が宿る木とされてきました。灰汁の少ないドングリはそのまま食用になり、材は古代の修羅(そり)としても使われるほど堅牢。人々の生活と信仰の両面で重要な役割を果たしてきた木でもあります。

この御神木が立つ場所は、古代より「御蔭山(みかげやま)」を神体山とする自然崇拝の中心地であり、大国主神とその妻・三穂津姫を祀る丹波国一宮の聖域。『徒然草』の兼好法師も記したように、都人からも篤く崇敬されていた由緒深き地です。

静寂に包まれた境内で、悠久の時を生きるこのイチイガシを前にすれば、誰もが言葉を失い、ただその存在の神秘に心を委ねるほかありません。神話と歴史、自然と信仰が融合した“神域”で、あなた自身の感性を研ぎ澄ませてみてください。

📍所在地:京都府亀岡市千歳町千歳出雲
🚗アクセス:JR亀岡駅から車で約15分、もしくはバス利用可

<現地説明文>
亀岡の名木 30十八

出雲大神宮のイチイガシ
 樹種―イチイガシ・・・ブナ科
 所在—亀岡市千歳町千歲出雲

常緑高木。本州(関東以西の太平洋側)・四国・九州・済州島・台湾・中国に分布し、神社などに多く植栽される。雌雄同株、花期は四月~五月ごろ。実は、カシ類のドン グリの中では、灰汁が少なくそのまま炒って食べられる。材は硬く、建築・器具に利用される。古代の運搬用そり(修羅)の材として用いられた。亀岡市内で確認さ れているイチイガシはこの樹のみであり、ご神木として崇められている。

〈調査日 二〇一七年三月十四日〉
幹周=二・三ーメートル
樹高=二十二・五メートル
『亀岡の名木(Ⅱ)』一〇〇ページ所載

亀岡市・(公財)亀岡市都市緑花協会

🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より

🟤ご紹介した御神木(イチイガシ)のある場所

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(C)【歴史キング】×【御神木マニア】

ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania

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