
「パワースポット・菩提寺のイチョウ|法然上人の奇跡が宿る樹齢900年の神木」
🟤樹齢900年 法然の杖より命が芽吹く【菩提寺のイチョウ】
推定樹齢900年【イチョウ】
菩提寺(岡山県奈義町)
標高1255mの那岐山を見上げる中腹に、静かに、しかし確かな威厳で佇む古刹「菩提寺」。その境内にそびえるのが、樹高約40m、幹囲13m、樹齢およそ900年とされる巨大イチョウです。国の天然記念物、そして「新日本名木百選」にも選ばれたこの御神木は、ただの巨木ではありません。そこには、浄土宗の開祖・法然上人の魂が深く息づいています。
法然(幼名:勢至丸)は9歳のとき、父を夜討ちで失います。仇討ちを望んだ勢至丸に、父は最期の言葉でこう伝えました。「恨みの連鎖を断ち、仏の道を歩め」と──。その遺言に従った勢至丸は、母方の叔父である観覚上人のもと、ここ菩提寺に身を寄せ、出家の道を歩み始めたのです。
このイチョウには、法然がふもとで拾ったイチョウの枝を杖にし、登山の途中で「この学び、根付け」と願って地面に挿したものが根付いた、という言い伝えがあります。さらに平成25年の調査では、麓の阿弥陀堂のイチョウ、そして傍らにそびえる「天明のイチョウ」とDNAが一致することも判明。まさに「一本の信仰」が、三本の神木となって時を超え生き続けているのです。
すべての人に、祈りと願いの原点を思い出させる場所。岡山県奈義町の「菩提寺のイチョウ」──ここには、静かに燃える信仰の炎と、永遠に近い命の力が宿っています。
📍所在地: 岡山県勝田郡奈義町高円1528
🚗 アクセス:
・JR津山駅よりバス+タクシーで約30分
・中国自動車道「津山IC」より車で約20分/「美作IC」より約30分
<現地説明文>
菩提寺のイチョウ
国指定天然記念物 昭和三年(一九二八)一月十八日
菩提寺のイチョウは、平成二年(一九九〇年) 新日本名木百選にも選ばれている日本を代表するイチョウの名木です。
勢至丸が菩提寺に入山の際、麓の「阿弥陀堂のイチョウ」の枝(※)を杖にし、学業成就を願い挿したところが芽吹いたのが現在のイチョウとの伝承と云われています。奈義町教育委員会では平成二十五年度(二〇一三) 樹勢維持の一環として菩提寺のイチョウ、阿弥陀堂のイチョウ、天明のイチョウのDNA鑑定調査を行い、この三本のイチョウは全く同じDNAを持つクローンであることが判明しました。
・樹高 約四〇m
・目通り幹囲 約十三m
・樹齢 推定九〇〇年
※阿弥陀堂のイチョウ 岡山県指定天然記念物 平成二十九年(二〇十七) 三月七日 奈義町小坂
🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より
🟤ご紹介した御神木(イチョウ)のある場所

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