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光福寺のイチョウ|樹齢800年パワースポット(東京都品川区)

🟤樹齢800年ー区内最大樹

推定樹齢800年【イチョウ】
光福寺(東京都品川区)

東京都品川区・大井の住宅街に、密やかに佇む浄土真宗の古刹・光福寺。この寺の門をくぐった左手、本堂の手前にそびえるのが、区内随一の巨木として知られる「光福寺のイチョウ」です。幹囲6.4メートル、樹高40メートル、推定樹齢およそ800年──その整った樹姿と威容、そして多数の気根(乳)の垂れる様子は、ただの古木ではなく、まさに“神木”の風格を備えています。

このイチョウには一つの伝説が残されています。開山・了海上人が、港区麻布にある善福寺──親鸞聖人ゆかりの「逆さイチョウ」──の一枝を譲り受け、この光福寺に挿し木をしたところ、見事に根付き、八百年を超えてなお樹勢衰えぬ御神木として育ったというのです。

この大イチョウには「枝を切ると祟りがある」「樹皮を煎じて飲めば乳の出が良くなる」といった信仰もあり、かつては漁民たちが東京湾からこの木を“目印”として仰ぎ見たといいます。都市に残されたこのような御神木は非常に貴重で、昭和53年には品川区の天然記念物第一号として正式に指定されました。

さらに、光福寺そのものも霊地と呼ぶにふさわしい由緒を持ちます。寺の創建は奈良時代末の延暦元年(782年)。のちに浄土真宗へと改宗され、了海上人がこの地に湧き出た清泉に因み「大井」と地名を定めたと伝えられています。つまりこの巨樹は、土地そのものの誕生と深く結びついているのです。

歴史と信仰、自然と伝説が交錯する「光福寺のイチョウ」。その静かな佇まいの中に、都市とは思えぬ深遠な気配が宿っています。

📍所在地: 東京都品川区大井6-9-17 光福寺
🚶‍♂️アクセス: 京急本線「立会川駅」から西へ徒歩約10分

<現地説明文>
品川区指定天然記念物
光福寺のイチョウ
 所在 大井六丁目九番七号 光福寺
 指定 昭和五十三年二月十四日(第一号)

イチョウはイチョウ科に属する落葉の高木で、高さは三十メートルにもなり、葉は扇形で秋に黄葉する。雌雄(めすとおす)それぞれ別の木となる。
本樹は雄樹で、幹の囲りは六・四メートル、高さは約四十メートルあり、推定の樹齢は約八百年である。区内の最大樹で、麻布善福寺の「さかさイチョウ」と兄弟といわ れ、整った木の姿は壮観である。幹と大枝からは古木であることを示す乳根をたらしている。明治時代まで、沖合の漁師たちは、航行の目標にしたといわれている。

平成八年三月三十一日  品川区教育委員会

🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より

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(C)【歴史キング】×【御神木マニア】

ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania

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