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【西平のカヤ】埼玉の山奥に眠る樹齢1000年の御神木|都幾山・慈光寺伝説の巨樹

🟤【神秘の巨木】西平の大カヤ

推定樹齢1000年
【西平の大カヤ】(埼玉県ときがわ町)

埼玉県ときがわ町西平――そこは、静かな山道を登った先に突如現れる、圧倒的な存在感を放つ「西平のカヤ」が眠る場所です。推定樹齢はおよそ1000年。周囲をスギの植林に囲まれたその姿は、異質で神々しく、訪れる者の心を一瞬で奪う不思議な威厳をまとっています。

このカヤは、都幾山慈光寺に伝わる「慈光寺七木」のひとつに数えられ、現存する唯一の木とされています。県指定の天然記念物でありながら、決して派手な観光地ではなく、地元の人々の敬意と畏れの念によって、静かに守られてきました。

登山道の入り口は、児持杉で有名な萩日吉神社から南に約300メートル進んだ地点にある小さな道標が目印です。スギ林の中を少し登ると、突然視界が開け、枝張り25メートルのカヤの巨木が姿を現します。その堂々たる枝ぶりと、幹回り6.6メートルの胴体は、まさに“山の神使”と呼ぶにふさわしい迫力。周囲のスギたちが畏れるように距離をとっているかのような空間が印象的です。

寺社の境内にある他のカヤと比べ、どこか“荒ぶる”ような気配を感じさせるのもこの御神木の特異性。自然のままに広がる枝葉、風に揺れる音、鳥の声――人工的な手入れを拒んだかのような孤高の姿は、神秘的なパワーそのものです。

歴史と自然、信仰が交差する“埼玉の秘境”。この地で1000年を超えて生き続ける大カヤの前に立てば、誰しもが心の奥底で“何か”に語りかけられるような感覚を覚えるでしょう。

📍所在地:埼玉県比企郡ときがわ町西平
🚶‍♂️アクセス:(1)関越道東松山ICまたは嵐山小川ICから車で30分
(2)圏央道鶴ヶ島ICまたは狭山日高ICから車で50分
(3)JR八高線 明覚駅・越生駅からバスで(ときがわ町路線バス)
または東武東上線 武蔵嵐山駅からバスで(ときがわ町路線バス)
東武東上線 小川町駅からバスで(ときがわ町路線バス)
「宮平」バス停から徒歩で30分

🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より

🟤ご紹介した御神木(大カヤ)のある場所

Information

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日本の凄い神木: 全都道府県250柱のヌシとそれを守る人に会いに行く / 本田不二雄 (著)

単行本 – 2022/10/27

旅に新しい楽しみや見方を紹介する旅の図鑑シリーズ新刊。日本の全都道府県の、地元で信仰される神木や、歴史ある巨木を紹介。木の歴史や巨木が生まれる背景、人との生活との関わりなど、「木の旅」をテーマに、各地方の巨木・神木を240本以上紹介。また、木・人・旅に関するコラムなどの情報も充実。

(C)【歴史キング】×【御神木マニア】

ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania

鳥居を抜けて神社の境内に入ると、そこに御神木があった。 全国各地に鎮座する神社の数は、約88,000社以上と言われています。神社の数だけ「御神木」が存在するといっても過言ではないでしょう。 各地に鎮座する、神の宿る「御神木」、その中には、強烈なパワーを感じる樹木や、息を呑むような巨大な樹木が存在しています。 樹齢数百年から、古いものでは、千年、二千年という「御神木」も珍しくありません。 「御神木」には「御神木」となった理由があります。そんな「神の宿り木」となった「御神木」の数々をご紹介します。

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