
【志多備神社】日本一のスダジイ|出雲の大椎と霊蛇伝承|島根の御神木パワースポット
🟤日本一のシイの巨木
推定樹齢300年以上【スダジイ】
志多備神社(島根県松江市)
島根県松江市八雲町、出雲の神域にひっそりと佇む志多備神社。その境内にそびえる一本の巨木が、かつて「日本一のスダジイ」と称された御神木です。幹周りはなんと11.4メートル。地上3メートル付近から9本もの幹が天に向かって立ち上がり、南北約33メートル、東西約20メートルに広がる枝葉は、まさに神域の森そのものです。
このスダジイは、古くから桑並地区の“総荒神”が宿る霊木として祀られてきました。毎年11月9日には、稲藁で編んだ大蛇(オロチ)を幹に巻き、白米や御神酒を供える「総荒神祭」が今も続けられており、地元の人々の深い信仰が息づいています。その姿はただの巨木にとどまらず、神そのものとして敬われてきたのです。
御神木の根元に立つと、まるで大地から噴き上がる命の渦に包み込まれるような感覚を覚えます。このスダジイには霊蛇が宿るとされ、古代からの信仰が色濃く残る出雲地方ならではの霊的な空気が、参拝者の胸を打ちます。
志多備神社自体も歴史深く、奈良時代の『出雲国風土記』(733年)にその名が登場します。祭神は伊弉諾尊・伊弉冉尊の夫婦神で、古来よりこの地を守ってきました。スダジイの巨木も、かつて一帯に広がっていた自然林の生き残りであり、神社と共に歩んできた“生きた歴史”といえる存在です。
なお、この地域にはスダジイの森が今も多く残っており、若木たちが次世代の“守り神”として育ちつつあります。訪れる人々にとっては、雄大な自然と神秘的な伝統が交差するこの場所が、まさに心のふるさととなるでしょう。
<現地説明文>
村指定天然記念物
スダジイ(二本)
このスダジイは、桑並地区を守る総荒神の宿る神木です。
胸高周囲十一・四メートル、樹高約二十メートルで、樹幹は地上三メートルあたりで九本に分かれ(一本は枯れている)四方に枝葉を広げていま す。
枝張りは、東西約二十メートル、南北約三十三メートルで、樹齢は確かでなく推定数百年といわ れている日本一のシイの巨木です。
志多備神社参道傍にあるスダジイは、胸高周囲六メートル、樹高十八メートル、枝張りは東西約十七メートル、南北約十九メートルです。
神社の周囲一帯は、スダジイの森になっており、 学術上でも貴重な存在として残っています。
八雲村教育委員会
🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より
🟤ご紹介した御神木(シイ)のある場所

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