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【埼玉・東松山】坂東十番札所 正法寺「奇跡の大銀杏」〜700年の時を刻む生命の息吹〜【パワースポット】

🟤生ける化石ー七百年の鼓動

推定樹齢700年【大イチョウ】
正法寺(埼玉県東松山市)

埼玉県東松山市、比企見の山々に抱かれた静寂の地に、坂東三十三ヶ所観音霊場の第十番札所として親しまれる巌殿山 正法寺(いわどのさん しょうぼうじ)が鎮座しています。通称「岩殿観音」として知られるこの古刹は、養老2年(718年)に開創されたと伝わる歴史深い寺院です。その観音堂の傍らに、樹齢700年以上、樹高30mを超える「正法寺の大銀杏(おおいちょう)」が、圧倒的な存在感を放ちながら悠然と立っています。

この大銀杏は、江戸時代の正法寺を描いた絵図にも既にその姿が描かれているほど、長きにわたりこの地の歴史を見守ってきた証人です。特に注目すべきは、その根元部分。年月の経過により土が流されたためか、まるで生き物のように力強く隆起した根が地表に顔を出し、幾重にも重なり合っています。幹姿もさることながら、その根のヴォリュームは見る者を圧倒し、あたかも大地から生命が次々と湧き出しているかのような、神秘的な印象を与えます。

イチョウは、古くから地球上に生息する植物で、その姿がほとんど変わらないことから「生きている化石」とも称されます。正法寺の大銀杏もまた、幾度となく戦火や火災の被害に見舞われたと伝えられる正法寺の歴史の中で、幸運にもその樹勢を保ち、力強く生き抜いてきました。現在の観音堂は明治時代に再建されたものですが、この大銀杏は、その間もずっとこの地で静かに寺を見守り続けてきたのです。秋には境内を鮮やかな黄金色に染め上げ、訪れる人々の目を楽しませてくれますが、それ以外の季節にも、四季折々の表情を見せる大銀杏の姿は、まさしく生命の息吹を感じさせてくれます。

正法寺は、開創から1300年近い歴史を持ち、坂東三十三ヶ所観音霊場のほか、武州七十二薬師、関東百八地蔵尊などの札所も兼ねる、信仰の拠点です。この大銀杏は、そんな歴史ある寺院のシンボルとして、長きにわたり人々の心の支えとなってきました。その雄大な姿は、自然の偉大さと、生命の尊さを私たちに語りかけ、訪れる人々に静かな感動と安らぎを与えてくれるでしょう。

700年を超える時を超えて生き続ける「正法寺の大銀杏」。その根元の力強さ、幹から溢れる生命力、そして四季折々に移ろう表情は、私たちに多くのメッセージを伝えてくれます。ぜひ一度、このパワースポットを訪れ、「生きている化石」と呼ばれる大銀杏の雄姿と、この地に宿る神秘の力を肌で感じてみてください。

所在地・アクセス情報

名称: 正法寺の大銀杏(しょうぼうじのおおいちょう)
所在地: 埼玉県東松山市岩殿
所在施設: 巌殿山 修善院 正法寺 観音堂横
アクセス:
【車】関越自動車道「東松山IC」より約6km
【電車+バス】東武東上線「高坂駅」より「鳩山ニュータウン行き」バスに乗車、「大東文化大学」バス停下車
駐車場: 有

🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より

🟤ご紹介した御神木(大イチョウ)のある場所

Information

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(C)【歴史キング】×【御神木マニア】

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