
【幻の桜】種子ができない奇跡の桜「黒田百年桜」|樹齢300年、京の桜守が守り続けた命
🟤幻の桜🌸黒田の百年桜
推定樹齢300年
黒田の百年桜(京都市右京区京北宮町)
京都市右京区・宮町の春日神社。
その一角に、静かに咲き誇る一本の桜があります。
その名も「黒田百年桜」。
これはヤマザクラの突然変異から生まれた幻の品種で、
10〜12枚の八重の花びらの中に、一重の花びらがまじるという極めて稀な咲き方をします。
花は濃い紅色で、手まりのようにふんわりと咲き乱れます。
この桜のもとは、かつての黒田村役場前にあった一本の大木。
明治6年の台風で倒木したものの、村人たちがその意思を引き継ぎ、
別の八重桜の古木を植えたことがこの「黒田百年桜」の始まりとされています。
しかし、この桜には“種”ができません。
まさに、絶やしてはならない命。
その命をつないだのが、「京の桜守」として知られる佐野藤右衛門親子。
30年以上にわたる執念と技術によって、昭和52年、苗づくりに成功。
その名も「黒田百年」と命名されました。
ヤマザクラの変異による珍種で、10~12枚の八重の中に一重が交じって咲きます。濃い紅色の花が密集して手まりのように咲くさまは、美しく可憐です。
昭和58年には、造幣局の「通り抜け百周年記念」として若木が植樹され、
全国にこの幻の桜の名が知られるようになりました。
開花は4月中旬~下旬。
開花中は夜9時までライトアップされ、幻想的な夜桜の世界が広がります。
歴史に、土地に、人に、守られてきた奇跡の桜。
そのひとひらが、あなたの心にも届きますように。
🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より
🟤ご紹介した🌸幻の桜🌸のある場所

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