
【熊野の大トチ】神々の棲む国天然記念物|広島・庄原のパワースポット御神木
🟤古樹の胎内 精霊眠る 【熊野の大トチ】
推定樹齢300年以上
【トチノキ】広島県庄原市
広島県庄原市の奥地、熊野川の源流にほど近い大羽川の渓流沿いに、その霊樹は静かに佇んでいます。名を「熊野の大トチ」。国の天然記念物に指定されたこの巨樹は、トチノキとしては日本でも屈指の規模を誇ります。
推定樹齢300年以上、樹高は26m。根元からは2本の幹が寄り添うように立ち上がり、空に向かって枝を広げる姿は、まさに大地と空をつなぐ自然の柱。最大幹周は7.1m、そして根元には大人でもすっぽり入るほどの空洞が広がっており、その内部には子どもなら30人も収容できると伝えられています。現在は保護のため立ち入りが制限されていますが、その神秘的な“胎内”に霊的な力を感じる人も少なくありません。
トチノキは古来より日本人の生活と結びつき、縄文時代には種子が主要な食糧とされ、現代でも「とち餅」「とち団子」として親しまれています。この樹もまた、比婆山の恵みとともに地域の記憶を抱きながら生き続けてきたのでしょう。
周囲には苔むした根が地面を覆い、雨の日には艶やかな緑が神秘さを一層引き立てます。参拝者はその前で静かに手を合わせ、耳を澄ませば、木霊がそっと語りかけてくるような感覚に包まれるはずです。
道中のアクセスも良好で、駐車スペースや整備された遊歩道もあり、気軽に訪れることができます。広島県に点在するパワースポットの中でも、その荘厳さと神威を兼ね備えた存在感は格別です。
【所在地】 広島県庄原市西城町熊野630
【アクセス】 中国自動車道「庄原IC」または「東城IC」より車で約50分
山の神が宿る地、熊野。そこに立つ大トチの前で、あなたも自然と一体となる静謐な時間を体感してみてください。
<現地説明文>
天然記念物 熊野の大トチ
指定年月日 昭和33年2月6日
所在地 庄原市西城町熊野字大畑630番地
樹種 トチノキ(トチノキ科)
現状 根周り周囲 12.2m
樹高 30m
トチノキは北海道南部から九州北部まで分布します。
湿度が高く水はけのよい土地を好むので、山地や河岸などの傾斜地に多く生育しま す。初夏の頃、美しい房状の白い花が上向きになって咲き、秋に熟すクリに似た種子はアクを抜けば食べられます。
このトチノキは、根周り周囲12.2m、樹高30mで、根元から2本の巨幹に分かれている中国地方では最大で、日本でも有数の巨樹です。
平成18年12月 庄原市教育委員会
🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より
🟤ご紹介した熊野の大トチ(トチノキ)のある場所

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