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【京都・御所東】縁を結ぶ「愛の木」梨木神社の桂〜千年の歴史と恋のパワースポット〜

🟤縁を結ぶ愛の木

推定樹齢不明【愛の木(カツラ)】
梨木神社(京都市上京区)

京都御苑の東、公家屋敷が立ち並んだ歴史あるエリアに鎮座する梨木神社(なしのきじんじゃ)。明治維新に大きく貢献した三條實萬(さんじょうさねつむ)公と、その子である三條實美(さんじょうさねとみ)公を御祭神として祀るこの神社は、明治18年(1885年)の創建以来、学問・文芸の神として篤い崇敬を集めてきました。境内には『雨月物語』の著者である上田秋成や、ノーベル賞受賞者の湯川秀樹博士の歌碑が建立されており、その御神威の高さが伺えます。

梨木神社は、平安時代前期に藤原北家全盛の礎を築いた藤原良房の邸宅「染殿第(そめどのてい)」があった場所とされています。良房の娘であり文徳天皇の后であった明子(あきらけいこ)の御所としても使われたこの地には、宮中御用の染所で用いられたと伝わる「染井(そめのい)」が今も現存しています。京都三名水の一つに数えられ、唯一そのまま残るこの名水は、現在も多くの人々がペットボトルを手に汲みに訪れる、貴重な清流です。

この歴史と文化が息づく境内に、ひときわ目を引く御神木「愛の木(あいぎ)」があります。本殿手前の左手にそびえるこの桂の木は、その葉が可愛らしいハートの形をしていることから、この名で親しまれるようになりました。根元から何本もの幹が合わさるように伸びていく姿は、まるで家族の絆や恋人たちの愛が重なり合うよう。そのため、家族愛や恋愛、縁結びにご利益があるとされ、知る人ぞ知る恋愛のパワースポットとしても注目されています。心の中で願い事を唱えながらこの「愛の木」に触れると、願いが叶うという言い伝えもあり、特に恋愛成就を願う多くの参拝者が訪れます。

梨木神社は別名「萩の宮(はぎのみや)」とも称され、境内には約500株もの萩が植えられています。例年9月中旬から下旬にかけては、紫色の萩の花が咲き誇り、京の萩の名所として多くの参拝者の目を楽しませています。この美しい景観もまた、人々に安らぎと癒しを与えてくれるでしょう。

幾多の時代を経て、京の都の歴史と文化を見守り続けてきた梨木神社。その御神木「愛の木」は、その愛らしい姿とは裏腹に、千年の時を超えて人々の願いを受け止め、縁を結び続けてきました。京都御所からもほど近く、アクセスも良好なこのパワースポットで、歴史の深さと、御神木が持つ神秘的な力を感じてみませんか。そして、「愛の木」に触れて、あなた自身の願いを心に刻んでみてください。

所在地・アクセス情報

名称: 梨木神社(なしのきじんじゃ)
所在地: 京都市上京区染殿町
アクセス:
バスでお越しの方:
JR京都駅正面口 市バスA2乗り場から、4系統・17系統・205系統で約20分「府立医大病院前」下車、徒歩約3分
電車でお越しの方:
京都市営地下鉄烏丸線「丸太町駅」1番出口から徒歩約20分
京都市営地下鉄烏丸線「今出川駅」3番出口から徒歩約20分
京阪電車「神宮丸太町駅」1番出口から徒歩約15分
京阪電車「出町柳駅」2番出口から徒歩約15分
駐車場: 有

🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より

🟤ご紹介した御神木(桂の木)のある場所

Information

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日本の凄い神木: 全都道府県250柱のヌシとそれを守る人に会いに行く / 本田不二雄 (著)

単行本 – 2022/10/27

旅に新しい楽しみや見方を紹介する旅の図鑑シリーズ新刊。日本の全都道府県の、地元で信仰される神木や、歴史ある巨木を紹介。木の歴史や巨木が生まれる背景、人との生活との関わりなど、「木の旅」をテーマに、各地方の巨木・神木を240本以上紹介。また、木・人・旅に関するコラムなどの情報も充実。

(C)【歴史キング】×【御神木マニア】

ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania

鳥居を抜けて神社の境内に入ると、そこに御神木があった。 全国各地に鎮座する神社の数は、約88,000社以上と言われています。神社の数だけ「御神木」が存在するといっても過言ではないでしょう。 各地に鎮座する、神の宿る「御神木」、その中には、強烈なパワーを感じる樹木や、息を呑むような巨大な樹木が存在しています。 樹齢数百年から、古いものでは、千年、二千年という「御神木」も珍しくありません。 「御神木」には「御神木」となった理由があります。そんな「神の宿り木」となった「御神木」の数々をご紹介します。

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