
【山形・山形市】千年超の神罰杉「津金澤の大杉」鎮座|熊野神社の神秘
🟤東北の代表格 津金澤の大杉
推定樹齢1000年【津金澤の大スギ】
熊野神社(山形県山形市)
山形に息づく神の息吹:千年の時を刻む「津金澤の大杉」の神秘
山形市津金沢の深い山々に囲まれた中に、圧倒的な存在感を放つ御神木「津金澤の大杉」が静かに佇んでいます。熊野神社の御神木として崇められ、推定樹齢1000年を超えるこの巨木は、山形県指定天然記念物にも指定されており、訪れる者の心を深く揺さぶる、まさに生きた歴史の証人です。
悠久の歴史と語り継がれる神罰の伝承
津金澤の大杉は、かつては雌杉と雄杉が寄り添うように並び立つ一対の老杉であったと伝えられています。しかし、弘化2年(1845年)頃、村人によって雄杉が伐採された時、村を未曾有の疫病が襲いました。この災厄が雄杉を伐ったことによる神罰であると悟った村人たちは、その霊を鎮めるために「大杉大明神」の石碑を建立し、厚く供養したとされています。この石碑は今も境内に残り、神と自然への畏敬の念を現代に伝えています。また、雄杉を伐採した際に木の中から小さな石が見つかり、それが現在、熊野神社の神殿に祀られているという話も、この大杉がいかに神聖視されてきたかを物語っています。
現存する雌杉は、地上3.3メートル部分で幹囲8.8メートルにも達する太さを誇り、5本の大幹が天に向かって真っすぐに伸びるその姿は、見る者を圧倒します。根回り9.3メートル、高さ33メートルというスケールは、まさに「巨木ワンダーランド」の異名にふさわしいものです。主幹の周りをいくつかの幹が囲むように生育しているその姿は、生命の力強さと神秘性を同時に感じさせます。
地域に根ざしたシンボルとしての存在
津金澤の大杉は、単なる巨木としてだけでなく、南山形地区のシンボルとしても地域に深く愛されてきました。実際、地元の南山形小学校の校章には、この大杉がデザインされているほどです。山形市には、専称寺や山寺の大イチョウ、出塩文殊堂の夫婦杉、平泉寺のサクラなど、数多くの古木名木が存在し、そのほとんどが神社仏閣と共に地域を見守り続けています。津金澤の大杉もまた、地域の歴史と信仰の中心であり、多くの人々に心の安らぎとインスピレーションを与えてきました。
現地を訪れる意義:悠久の時と生命の息吹に触れる
この地を訪れることは、単に巨大な木を見るだけではありません。千年の時を超えて生き続ける生命の力強さに触れ、古くから語り継がれる神罰の伝承に耳を傾けることで、自然と神への畏敬の念を改めて感じることができます。都会の喧騒から離れ、静寂の中で大杉と向き合う時間は、きっとあなたの心に深い平穏と、新たなスピリチュアルな気づきをもたらしてくれるでしょう。
悠久の時を刻み、今もなお神秘的な輝きを放つ「津金澤の大杉」。ぜひ一度、この荘厳な御神木が紡ぐ物語に触れ、その圧倒的な存在感を肌で感じてみてください。
🟤所在地・アクセス情報
名称: 津金沢の大スギ(つがねさわのおおすぎ)
指定区分: 県指定文化財 天然記念物
指定年月日: 昭和27年(1952年)4月1日
所在地: 山形県山形市津金沢317-1(熊野神社境内)
所有者: 熊野神社
🟤アクセス
車: 東北中央自動車道・山形上山ICより約4.7km
電車: JR山形線・蔵王駅より約1.6km
🟤備考:
集落の中から熊野神社へ至る道は少し狭いので、通行の際はご注意ください。神社の入口手前に、車3台分ほどの駐車スペースがあります。根元のアップの写真を撮影される際は、柵の内側へは立ち入らないようご協力をお願いいたします。
🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より
🟤ご紹介した御神木(大杉)のある場所

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