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【東京・高輪】忠義の物語を見守ったスダジイ

🟤赤穂義士も見た旧細川邸のシイ

推定樹齢400年以上【スダジイ】
旧細川邸(東京都港区)

東京都港区高輪。
東海道・品川宿のそばに位置するこのエリアは、西国の諸藩大名が広大な下屋敷を構えたことで知られます。

そんな高級住宅街の高台に、知る人ぞ知る巨木が静かに佇んでいます。
それが、東京都指定天然記念物にもなっている【旧細川邸のシイ(スダジイ)】です。

この場所は、かつて肥後熊本藩主・細川家の下屋敷があった広大な敷地の一部。
港区立高松中学校を見下ろし、高輪コミュニティーぷらざの敷地裏にそびえるスダジイは、推定樹齢400年ともいわれており、訪れる人々に静かで神聖な安らぎを与えてくれます。

シイの木が立つ旧細川邸は、赤穂浪士・十七士が切腹を命ぜられた場所。

雪の降りしきる中、主君への深い思いを胸に静かに最期の時を迎えた忠義に生きる男たち。
大石内蔵助も壮絶な覚悟を胸に、静かに佇むシイの木を見上げていたのかもしれません。

周囲に高層ビルが立ち並ぶ都心において、これほどの大木が大切に守られ続けていること自体が奇跡的です。
幹には、過去の風雪や災害を耐え抜いた証が刻まれ力強い生命力が感じられます。

過去の歴史を静かに物語る旧細川邸のシイ。
赤穂浪士らの揺るぎない覚悟と魂の重みを、その年輪に宿しているかのようです。

この歴史の舞台で忠義に生きた男たちの魂と大木の生命力との調和を感じてみてください。

所在地・アクセス情報
名称: 旧細川邸のシイ
所在地:東京都港区高輪1-16-25
アクセス:
白金高輪駅(東京メトロ南北線・都営三田線):1番出口。「高輪コミュニティーぷらざ」5階出口または、階段で建物裏手に出てすぐ。

<現地説明文>
東京都指定天然記念物
旧細川邸のシイ

所在地 港区高輪一丁目十六番二十五号 高輪支所内
指定 昭和三十六年一月三十日

高輪支所の丘陵上に独立する草木で、樹高10.8メートル、幹周り8.13メートル、枝張りは東に6.7メートル、西に2.7メートル、南に5.6メートル、北に5.8メートルを測る巨樹である。幹の下部に大きな空洞があったため、昭和56年には大規模な外科手術を実施した。

スダジイは、別名イタジイともナカジイとも呼ばれ、本州の福島県・新潟県以南、四国、九州、沖縄に分布するブナ科の常緑高木である。葉は長楕円形で先は尖り大きな鋸歯がある。果実は先の尖った卵円形で二年目に熟し食用になる。
旧細川邸とは、肥後熊本藩細川家の下屋敷のことであり、元禄十六年(1703)2月4日、赤穂事件の大石内蔵助良雄・吉田忠左衛門兼亮・小野寺十内秀和・腹惣右衛門元辰ら17人が切腹を命ぜられたところとして、屋敷跡は東京都指定旧跡に指定されている。

平成七年三月三十一日 建設
東京都教育委員会

🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より

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Information

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ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania

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