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【大阪・寝屋川】萱島駅の奇跡:駅と一体化した樹齢700年の御神木【パワースポット】

🟤駅を貫く御神木

推定樹齢700年【クスノキ】
萱島神社(大阪府寝屋川市)

京阪電車「萱島駅」を訪れると、そのホームに立つ人々の誰もが一度は目を奪われるでしょう。駅のホームとその屋根を突き破り、力強く天に向かって伸びる巨大なクスノキ。この巨木こそ、樹齢700年とも伝わる萱島神社の御神木です。通常、鉄道の高架化工事となれば、その場所にある障害物はすべて撤去されるのが常識です。しかし、昭和47年(1972年)、京阪本線の高架複々線化工事が進められた際、この萱島の大クスノキは伐採の危機に直面しました。ですが、地元の人々が長年この御神木に抱いてきた深い尊崇の念と、「何としても残したい」という熱い願いが、京阪電鉄を動かしました。結果、異例ともいえる「駅と一体化させる」という形で、このクスノキは残されることになったのです。高さ約20メートル、幹回り約7メートルにも及ぶその雄大な姿は、まさに駅の守護神。ホームで電車を待つ人々には、その生い茂る緑が安らぎを与え、夏には涼やかな木陰を提供してくれます。雨の日も風の日も、変わらずそこに立ち続ける大クスノキは、日々の喧騒の中で忘れがちな自然の偉大さ、そして人々の信仰の厚さを静かに物語っているようです。大阪府の「みどりの百選」にも選ばれるなど、その存在は多くの人々に認められています。

萱島駅の改札を出てすぐの場所には、クスノキの根元を見ることができる萱島神社があります。ご祭神は萱島開拓の祖神、菅原道真、豊受大神。明治時代に一度は廃社となった歴史を持つものの、駅建設の際に京阪電鉄が社殿を寄進し、現在の姿に再建されました。境内に並ぶ数々の玉垣は、地域住民からの信仰がいかに篤いかを物語っています。ここでは、「繁栄の砂」と呼ばれる、クスノキの力にあやかった縁起物も授与されており、訪れる人々に静かな希望を与え続けています。駅という現代の交通インフラと、古来からの信仰の象徴である御神木が、まるで共生するかの如く存在する萱島駅。これは単なる珍しい景観にとどまらず、人々の自然への畏敬の念、そして伝統を守り抜こうとする強い意志が形になった奇跡の場所と言えるでしょう。ぜひ一度、その目でこの特別な光景をご覧になり、大いなる生命の息吹と、地域に根付く信仰の力を感じてみてください。

所在地・アクセス情報
所在地:大阪府寝屋川市萱島本町19-1 (京阪電車高架下)
交通:京阪電車「萱島」駅下車すぐ

<現地説明文>萱島の大クスノキ
この大きなクスノキは、高さ約二〇メートル、幹周りは約七メートルもあります。樹令七〇〇年ともいわれ、昔から萱島の大クスノキとして地元の皆さんに親しまれてきました。昭和四十七年十一月、輸送力増強のため着工した土居〜寝屋川信号所間高架複々線の建設の際、地元の皆さんのクスノキに寄せる尊崇の念にお応えし、新しい萱島駅と共にこのクスノキを後世に残すことにしました。特有の芳香を放ち豊かな緑を繁らせて人々にやすらぎを与えてきたクスノキをいつまでも大切に育ててゆくため、ご覧の通り樹木がホームと屋根とを突き抜けるという、全国に例をみない姿となりました。/京阪電気鉄道株式会社

🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より

🟤ご紹介した御神木{大クスノキ}のある場所

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本のご紹介

日本の凄い神木: 全都道府県250柱のヌシとそれを守る人に会いに行く / 本田不二雄 (著)

単行本 – 2022/10/27

旅に新しい楽しみや見方を紹介する旅の図鑑シリーズ新刊。日本の全都道府県の、地元で信仰される神木や、歴史ある巨木を紹介。木の歴史や巨木が生まれる背景、人との生活との関わりなど、「木の旅」をテーマに、各地方の巨木・神木を240本以上紹介。また、木・人・旅に関するコラムなどの情報も充実。

(C)【歴史キング】×【御神木マニア】

ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania

鳥居を抜けて神社の境内に入ると、そこに御神木があった。 全国各地に鎮座する神社の数は、約88,000社以上と言われています。神社の数だけ「御神木」が存在するといっても過言ではないでしょう。 各地に鎮座する、神の宿る「御神木」、その中には、強烈なパワーを感じる樹木や、息を呑むような巨大な樹木が存在しています。 樹齢数百年から、古いものでは、千年、二千年という「御神木」も珍しくありません。 「御神木」には「御神木」となった理由があります。そんな「神の宿り木」となった「御神木」の数々をご紹介します。

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