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【京都・上京区】天狗伝説が宿る浄福寺の御神木〜京の町を守りしクロガネモチとケヤキ【パワースポット】

🟤京の天狗伝説|火除けの神

推定樹齢300年以上【クロガネモチ&ケヤキ】
浄福寺(京都市上京区)

京都市上京区、浄福寺通に面した「赤門」が印象的な浄福寺は、恵照山と号する浄土宗の古刹です。その創建は古く、延暦年間(782〜806年)に興福寺の僧・賢憬が唐から請来した釈迦如来像を安置するために建立されたとも、寛平8年(896年)に宇多上皇の生母・班子女王によって創建されたとも伝えられています。幾度もの火災に遭いながらも寺地を転々と移し、現在の地に移ったのは元和元年(1615年)のこと。京都市指定有形文化財に指定されている本堂を含む8棟の建造物や、国の重要文化財である鎌倉時代の阿弥陀三尊二十五菩薩来迎図、延徳元年(1489年)に描かれた十王像など、数多くの文化財を今に伝える歴史深いお寺です。この浄福寺の境内には、京都市の「区民誇りの木」にも選ばれた二本の巨木が静かに佇んでいます。一つは、樹高9.0メートル、枝張り12.1メートル、幹周3.95メートルを誇るクロガネモチ。そしてもう一つは、樹高21.5メートル、枝張り22.0メートル、幹周3.90メートルにもなるケヤキです。特にクロガネモチは、その種としては類まれな大きさを持ち、訪れる人々を圧倒します。

このクロガネモチには、天狗伝説が残されています。江戸時代中期の天明8年(1788年)に京都を襲った「天明の大火」は、御所や二条城を含む市街地の8割を焼き尽くす甚大な被害をもたらしました。その際、鞍馬山から舞い降りてきたという天狗が、浄福寺境内のクロガネモチの大木の上に降臨。巨大なうちわをあおいで火を消し、寺の東門(通称・赤門)の手前で大火を食い止めたと伝えられています。以来、この天狗は護法大権現としてクロガネモチの傍らに祀られ、京の町を守る火除けの神として信仰されています。幹には大きな空洞が開いており、まるで樹皮だけで立っているかのように見えるクロガネモチ。その姿は、長きにわたる歴史と、天狗の神威を受け継いできた証のようです。そして、隣に立つ雄大なケヤキと共に、浄福寺の境内を見守り続けています。歴史と伝承が息づく浄福寺。京の町の変遷を見守り続けてきた御神木と、そこに伝わる天狗の物語に触れることで、古都の奥深さと自然の神秘的な力を感じられるでしょう。ぜひ一度、この特別な場所を訪れ、そのパワースポットとしてのエネルギーを体感してみてください。

所在地・アクセス情報
所在地:京都市上京区浄福寺通一条上る 上笹屋町2-601
アクセス:アクセス:阪急電車「京都河原町駅」から市バスで「今出川浄福寺」下車、南へ約200m、徒歩約3分

🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より

🟤ご紹介した御神木(クロガネモチ&ケヤキ)のある場所

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日本の凄い神木: 全都道府県250柱のヌシとそれを守る人に会いに行く / 本田不二雄 (著)

単行本 – 2022/10/27

旅に新しい楽しみや見方を紹介する旅の図鑑シリーズ新刊。日本の全都道府県の、地元で信仰される神木や、歴史ある巨木を紹介。木の歴史や巨木が生まれる背景、人との生活との関わりなど、「木の旅」をテーマに、各地方の巨木・神木を240本以上紹介。また、木・人・旅に関するコラムなどの情報も充実。

(C)【歴史キング】×【御神木マニア】

ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania

鳥居を抜けて神社の境内に入ると、そこに御神木があった。 全国各地に鎮座する神社の数は、約88,000社以上と言われています。神社の数だけ「御神木」が存在するといっても過言ではないでしょう。 各地に鎮座する、神の宿る「御神木」、その中には、強烈なパワーを感じる樹木や、息を呑むような巨大な樹木が存在しています。 樹齢数百年から、古いものでは、千年、二千年という「御神木」も珍しくありません。 「御神木」には「御神木」となった理由があります。そんな「神の宿り木」となった「御神木」の数々をご紹介します。

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