【大阪・道修町】日本医薬総鎮守「少彦名神社」〜くすりの町に佇むクスノキの神秘
🟤薬の町│ビルの谷間の御神木│少彦名神社
推定樹齢190年【クスノキ】
少彦名神社(大阪市中央区)
大阪市中央区道修町。かつて豊臣秀吉が城下町として整備した頃から、「くすりの町」として日本の医薬を支えてきたこの地に、高層ビルの谷間にひっそりと鎮座する神社があります。それが、日本医薬総鎮守として信仰を集める少彦名神社です。創建は江戸時代後期の安永9年(1780年)。当時、道修町の薬種仲間たちが、薬の安全と薬業の繁栄を願い、日本の薬祖神である少彦名命(すくなひこなのみこと)と、中国の医薬の祖神・神農炎帝(しんのうえんてい)を祀ったのが始まりです。この二柱の御祭神が持つ、健康増進や商売繁盛の御神徳により、「神農さん」の愛称で親しまれ、今もなお多くの人々の信仰を集めています。この神社の境内には、樹齢約190年と伝えられるクスノキの御神木が力強くそびえ立っています。クスノキからは、防虫剤などに使われる「樟脳(しょうのう)」という成分が抽出されるため、薬の神様との相性が良いとされています。その幹に直接触れることができる御神木は、訪れる人々に不思議な安らぎを与え、心を清めてくれる神威を宿しています。少彦名神社の信仰の中心は、毎年11月22日、23日に斎行される「神農祭」です。大阪では、この祭が一年のお祭りを締めくくる「止めまつり」として知られ、多くの参拝者で賑わいます。江戸時代にコレラが流行した際、疫病除けの薬とともに配られた「張子の虎」のお守りは、今も変わらず家内安全や無病息災を願う人々に授与されており、大阪土産としても有名です。また、少彦名神社は医薬関係者だけでなく、近年のペットブームに伴い、動物用医薬品を扱う会社が増えたことから、ペットの健康祈願に訪れる人々も多い、ユニークな神社でもあります。「くすりの町」の歴史と文化、そして人々の健康への願いが詰まった少彦名神社。高層ビルに囲まれながらも、力強く生きるクスノキの御神木に触れ、その壮大なパワースポットのエネルギーを体感してみませんか。
所在地・アクセス情報
所在地:大阪府大阪市中央区道修町2-1-8
アクセス:Osaka Metro堺筋線・京阪本線「北浜駅」6番出口より徒歩約1分
京阪本線・Osaka Metro御堂筋線「淀屋橋駅」11番出口より徒歩約6分
🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より
🟤ご紹介したクスノキのある場所

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