
【高知・大豊町】日本最大「杉の大スギ」〜美空ひばりも願った3000年の夫婦神木【パワースポット】
🟤日本一の大杉
樹齢3000年【スギ】
八坂神社(高知県大豊町)
高知県長岡郡大豊町、八坂神社の境内に、日本のスギの頂点に立つ巨木が鎮座しています。その名も「杉の大スギ」。推定樹齢3000年以上とも伝わるこの御神木は、根元で「北大スギ」と「南大スギ」の2本の株に分かれていることから、別名「夫婦スギ」とも呼ばれ、古くから人々の厚い信仰を集めてきました。南大スギは根回り約20メートル、樹高約60メートル、北大スギは根回り約16.5メートル、樹高約57メートルと、そのスケールはまさに圧倒的です。須佐之男命(すさのおのみこと)が植えたという伝説も残されており、遠い神代の昔からこの地を見守り続けてきたことがうかがえます。この杉の大スギは、その歴史と存在感から、数々の著名人との縁も深く結ばれています。幕末の志士、坂本龍馬や土佐藩主山内容堂もこの地を訪れ、その偉容に心を打たれたと伝えられています。中でも有名なのが、昭和の大スター、美空ひばりとの逸話です。1947年、9歳だったひばりが公演旅行中に交通事故に遭い、大豊町で療養していた際、この杉の大スギに「日本一の歌手にしてください」と願いをかけたとされています。その願いが叶ったかのように、ひばりは国民的歌手となり、彼女の没後にはこの地との縁を記念して遺影碑と歌碑が建立されました。遺影碑の傍らでは、ひばりの代表曲が流れ、訪れる人々の心に響きます。1924年には国の天然記念物に、そして1952年には国の特別天然記念物に指定され、その貴重さが認められています。しかし、幾度かの台風による被害や、近年では観光客増加による根元の踏みつけで樹勢の衰えが懸念された時期もありました。現在は、高知県や文化庁の協力のもと、手厚い保護対策が講じられています。
「神代スギ」「天王スギ」など、様々な異名を持つこの杉の大スギ。受胎・安産や護身のご利益があるともされ、樹皮を密かに剥ぎ取る者がいたために、樹皮が盛り上がって不整形の形状をなしている箇所があるほど、人々の信仰が篤かったことを物語っています。3000年の時を刻み、日本の歴史と人々の願いを見守り続けてきた杉の大スギ。その根元に立てば、太古からの生命の鼓動が聞こえてくるような、厳かで神秘的な体験ができるでしょう。美空ひばりも魅せられた、この日本一のパワースポットで、大いなる神威を感じてみませんか。
所在地・アクセス情報
所在地:高知県長岡郡大豊町杉794 八坂神社境内
料金:大人200円、小中学生100円(施設整備協力費)
利用可能時間:4月〜9月 8:00〜18:00 / 10月〜3月 8:30〜17:00
交通:JR四国土讃線「大杉駅」下車、徒歩約800メートル
🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より
🟤ご紹介した御神木(大スギ)のある場所

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