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【京都・中京区】天明の大火を鎮めた「火伏せのイチョウ」〜ビルの谷間に立つ本能寺の御神木

🟤織田信長の寺│奇跡のイチョウ│本能寺

推定樹齢400年【火伏せのイチョウ】
本能寺(京都市中京区)

京都市中京区、京都の繁華街の中心部に位置する本能寺は、歴史上名高い「本能寺の変」の舞台として知られる法華宗の大本山です。しかし、実はこの寺院は織田信長が自刃した当時の場所とは異なり、度重なる火災から再建を繰り返す中で、現在の地に移りました。その歴史の中で、この本能寺を幾度も火災の危機から救ったと伝えられる御神木があります。それが、「火伏せのイチョウ」です。樹齢400年と推定されるこのイチョウは、幹周り3.9メートル、樹高18.4メートルにも及ぶ巨木で、京都市の保存樹にも指定されています。このイチョウが特に有名になったのは、江戸時代後期の天明8年(1788年)に京都を襲った歴史的な大火災「天明の大火」の時です。燃え盛る炎から逃れ、本能寺の境内に身を寄せた数十人の人々が、もはやこれまでと覚悟を決めたその時、突如としてこのイチョウの木から勢いよく水が噴き出したと伝えられています。その水のおかげで、イチョウの周りにいた人々は、奇跡的にやけど一つ負わずに助かったとされています。この伝説の真偽はさておき、イチョウがその枝葉に豊富な水分を含み、防火樹としての役割を果たすことは科学的にも知られています。歴史的な大火災や戦乱を何度も経験してきた本能寺にとって、このイチョウは単なる木ではなく、寺と人々を火の災いから守ってきた、まさに火伏せの守り神なのです。「本能寺の変」や「天明の大火」といった歴史の転換点を見つめてきたこのイチョウは、人々の悲しみや希望を受け止めてきました。ビルの谷間にひっそりと佇むその姿は、現代の喧騒の中で忘れがちな自然の偉大さと、歴史の重みを私たちに静かに教えてくれます。織田信長公の供養塔も境内にあり、歴史ファンにとっても必見の場所です。ぜひ一度、この特別なパワースポットを訪れ、幾度もの災禍を乗り越えてきた「火伏せのイチョウ」の神秘的な力と、壮大な生命の息吹を肌で感じてみてください。

所在地・アクセス情報
所在地:京都府京都市中京区寺町通御池下る下本能寺前町522
アクセス:京都市営地下鉄東西線「京都市役所前駅」下車、すぐ

🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より

🟤ご紹介した御神木(火伏せのイチョウ)のある場所

Information

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本のご紹介

日本の凄い神木: 全都道府県250柱のヌシとそれを守る人に会いに行く / 本田不二雄 (著)

単行本 – 2022/10/27

旅に新しい楽しみや見方を紹介する旅の図鑑シリーズ新刊。日本の全都道府県の、地元で信仰される神木や、歴史ある巨木を紹介。木の歴史や巨木が生まれる背景、人との生活との関わりなど、「木の旅」をテーマに、各地方の巨木・神木を240本以上紹介。また、木・人・旅に関するコラムなどの情報も充実。

(C)【歴史キング】×【御神木マニア】

ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania

鳥居を抜けて神社の境内に入ると、そこに御神木があった。 全国各地に鎮座する神社の数は、約88,000社以上と言われています。神社の数だけ「御神木」が存在するといっても過言ではないでしょう。 各地に鎮座する、神の宿る「御神木」、その中には、強烈なパワーを感じる樹木や、息を呑むような巨大な樹木が存在しています。 樹齢数百年から、古いものでは、千年、二千年という「御神木」も珍しくありません。 「御神木」には「御神木」となった理由があります。そんな「神の宿り木」となった「御神木」の数々をご紹介します。

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