【島根・雲南市】鏡岩に映る千年の巨木!海潮のカツラ〜日原神社の神域に佇む御神木
🟤日本有数のカツラの巨木│海潮のカツラ│雲南市・日原神社
推定樹齢不明【海潮のカツラ】
日原神社(島根県雲南市)
島根県雲南市、斐伊川の支流である赤川のほとりに、静かに鎮座する日原神社。この古社は、『出雲国風土記』にもその名が登場する歴史を持ち、「鏡の宮」とも称されます。その名の通り、境内の岩が鏡のように周囲の景色を映し出すことから、神聖な場所として古くから信仰を集めてきました。この日原神社の参道脇に、圧倒的な存在感を放つ御神木があります。それが、国の天然記念物に指定されている「海潮のカツラ」です。正確な樹齢は不詳ですが、一千年を経たと言われるこのカツラは、もはや一つの生命体というより、森そのもののようです。かつては主幹が一本でそびえていたようですが、現在はその中心部は朽ち、その周囲から7、8本もの太い支幹が力強く空に向かって伸びています。根元の周囲は20メートルにも及び、いくつもの大岩を抱え込むかのように複雑に絡み合った根は、壮絶な時の流れを物語っています。樹高は約30メートル、東西南北に広がる枝張りは30メートルにも達し、日原神社の神域全体を優しく包み込んでいます。このカツラは雄株であり、春先のわずか3日間だけ、気品のある紅色の小さな花を咲かせると言われています。この短い期間にしか見られない神秘的な光景は、古来よりこの地の人々に希望と感動を与えてきたことでしょう。たたら製鉄が盛んだったこの地域では、カツラの木は御神木として大切にされてきた歴史があります。日原神社と、そこに鎮座する海潮のカツラは、まさに地域の歴史と信仰の中心であり、人々の暮らしを見守り続けてきました。主幹を失いながらも、新たな命を育み続けるその姿は、不屈の生命力と、世代を超えて受け継がれる神威を感じさせてくれます。ぜひ一度、この特別なパワースポットを訪れ、悠久の時の流れと、巨木が放つ壮大なエネルギーを肌で感じてみてください。
所在地・アクセス情報
所在地:島根県雲南市大東町中湯石 日原神社境内
アクセス:松江自動車道「三刀屋木次IC」から国道54号を進み、「里方」交差点を右折し県道24号を西に約11km
JR出雲駅からバスで大東方面へ
<現地説明文>
天然記念物 海潮のカッラ
昭和十二年四月十七日指定
主幹はすでに朽ち倒れたが、七〜八本もの、支幹が大きく伸び、さらに少さい幹を含めると数十本で数個の岩を抱え込み巨樹にまとまっている。現在の根周りは十八メートル、高さ四十 メートル近くあり、樹齢は数百年を経ていると思われるが、定かではない。巨木として、また根部の奇異な絡み合いなどその例は少なく、そのうえ、老木であるにもかかわらず、今日なお、その根周りから新幹が派生するという特徴のある成長ぶりがみられることからも貴重である。若芽の膨らむ春先(三月二十日前後)には、雄花が開花し、僅かの期間、紅色に染まり、気品あふれる美しさを漂わせる。
文化庁
島根県教育委員会
雲南市教育委員会
🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より
🟤ご紹介した御神木(カツラ)のある場所

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