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【島根・松江市】龍神が宿る「阿太加夜神社のタブノキ」〜日本三大船神事を支える御神威

🟤日本三大船神事「ホーランエンヤ」の舞台│阿太加夜神社

推定樹齢不明【タブノキ】
阿太加夜神社(松江市東出雲町)

島根県松江市、意宇川(いうがわ)のほとりにひっそりと鎮座する阿太加夜神社。この古社は、日本神話に登場する大国主命の御子、阿陀加夜奴志多岐喜比賣命(あだかやぬしたききひめのみこと)を主祭神として祀り、古くから出雲の地を護ってきた由緒ある神社です。境内に入ってすぐ右手に、見る者を圧倒するタブノキの御神木がそびえ立っています。樹高15メートル、幹周り6.2メートルを誇るこの巨木は、その根元にまるで龍の頭のような藁蛇(わらへび)の注連縄が巻かれています。口を大きく開けた「阿形(あぎょう)」の藁蛇は、この木が単なる巨木ではなく、古来よりこの地で信仰されてきた荒神様の依代(よりしろ)であることを物語っています。この阿太加夜神社は、12年に一度行われる壮大な船神事「ホーランエンヤ」の舞台となることで知られています。これは、松江城山稲荷神社の御神霊が、約100艘もの船を従えて意宇川を渡り、この阿太加夜神社に渡御する勇壮な祭りで、大阪「天神祭」、広島宮島「管絃祭(宮島管絃祭)」とともに「日本三大船神事」の一つに数えられています。370年以上も続くこの伝統神事は、出雲の五穀豊穣と地域の安全を願う重要な祭礼であり、タブノキの御神木もその祭りの成功を静かに見守り続けてきたのです。この地域を「出雲郷(あだかえ)」と呼ぶのは、主祭神である阿陀加夜奴志多岐喜比賣命の名前に由来すると言われ、神と土地、そして人々との深い結びつきを感じさせます。龍神が宿るとされるタブノキの御神威と、370年もの歴史を持つ日本三大船神事の舞台という、特別な歴史を持つ阿太加夜神社。その静かな佇まいからは想像もつかないほど、力強く、そして神秘的なエネルギーに満ちています。ぜひ一度、この特別なパワースポットを訪れ、悠久の歴史と、巨木が放つ壮大な生命の息吹を肌で感じてみてください。

所在地・アクセス情報
所在地:島根県松江市東出雲町出雲郷587
アクセス:国道9号(旧道)出雲郷橋東詰から南へ徒歩約2分

<現地説明文>
町荒神(まちこうじん) 祭日 十二月九日

この御神木(タブノキ)と藁蛇の注連縄は、出雲郷町地区の荒神さんをお祀りしています。
屋敷の守り神、地域の守護神、農耕の神として信仰されております。

🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より

🟤ご紹介した御神木(タブノキ)のある場所

Information

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本のご紹介

日本の凄い神木: 全都道府県250柱のヌシとそれを守る人に会いに行く / 本田不二雄 (著)

単行本 – 2022/10/27

旅に新しい楽しみや見方を紹介する旅の図鑑シリーズ新刊。日本の全都道府県の、地元で信仰される神木や、歴史ある巨木を紹介。木の歴史や巨木が生まれる背景、人との生活との関わりなど、「木の旅」をテーマに、各地方の巨木・神木を240本以上紹介。また、木・人・旅に関するコラムなどの情報も充実。

(C)【歴史キング】×【御神木マニア】

ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania

鳥居を抜けて神社の境内に入ると、そこに御神木があった。 全国各地に鎮座する神社の数は、約88,000社以上と言われています。神社の数だけ「御神木」が存在するといっても過言ではないでしょう。 各地に鎮座する、神の宿る「御神木」、その中には、強烈なパワーを感じる樹木や、息を呑むような巨大な樹木が存在しています。 樹齢数百年から、古いものでは、千年、二千年という「御神木」も珍しくありません。 「御神木」には「御神木」となった理由があります。そんな「神の宿り木」となった「御神木」の数々をご紹介します。

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