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【香川・観音寺市】生きた木に地蔵が宿る奇跡「生木地蔵尊」〜娘の命を救った1200年の大楠

🟤地蔵が宿る大クス│生木地蔵

推定樹齢1200年【クスノキ】
生木地蔵(香川県観音寺市)

香川県観音寺市大野原町に、全国でも類を見ない奇跡のパワースポットが静かに佇んでいます。それが、樹齢1200年を超えるクスノキの中に地蔵尊が祀られている「生木地蔵尊(いききじぞうそん)」です。天保7年(1836年)、この地に住む森安利左衛門は、病弱な一人娘のナヲの身を案じ、四国八十八ヶ所巡礼の旅に出ました。その道中、生きた木に彫られた仏像に出会い、感銘を受けた彼は、旅から戻ると、祖先の墓地にあるこの大クスノキに、娘の健康を願いながら自ら地蔵尊を彫り上げました。すると、その祈りが通じたのか、病弱だったナヲはなんと96歳まで、父の利左衛門も86歳まで長寿を全うしたと伝えられています。この霊験あらたかな物語から、「生木の地蔵さん」にお願いすれば、どんな願いも叶うと言われるようになり、今では日本全国から多くの参拝者が訪れています。樹高30メートル、幹周り10メートルを誇るこの大クスノキは、観音寺市の天然記念物にも指定されています。幹に彫られた身長150センチの地蔵尊は、木の成長とともに少しずつ背が伸びたという、不思議な伝承も残されています。墓地全体を覆うかのように枝葉を広げる大クスノキは、人々を優しく見守るかのようです。弘法大師空海のお手植えという説も伝わるこの御神木は、長い歴史の中で、人々の願いを受け止め、慈悲深い神威を放ち続けています。親の深い愛情と、巨木が持つ生命力が奇跡を起こした特別な場所。ぜひ一度、この特別なパワースポットで、生きた木の温もりと、地蔵尊の優しい表情に触れ、心身ともに満たされる時間を過ごしてみてください。

所在地・アクセス情報
所在地:香川県観音寺市大野原町大野原1208
アクセス:高松自動車道「大野原IC」から車で約6分。
JR観音寺駅からタクシーで約13分。

<現地説明文>
観音寺市指定文化財(天然記念物)

⚫️生木地蔵と大樟

大樟は、樹齢約一、二〇〇年と推定され胸高周囲七米、樹高三○米で樹姿樹勢ともによく、風格を備え、県下でも大きい方である。
又樹体内に空洞を作り樹体に地蔵像を 彫っています。この地蔵像は、約一八〇年前、当町中姫在住の森安利左衛門の作によるもので、一般に「生木のお地蔵さん」とあがめられています。

所在地 大野原町中姫二二八八番地
所有者 生木墓地

昭和五十一年六月十日指定

香川県保存木 観音寺市教育委員会

🟤ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania より

🟤ご紹介した御神木(クスノキ)のある場所

Information

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日本の凄い神木: 全都道府県250柱のヌシとそれを守る人に会いに行く / 本田不二雄 (著)

単行本 – 2022/10/27

旅に新しい楽しみや見方を紹介する旅の図鑑シリーズ新刊。日本の全都道府県の、地元で信仰される神木や、歴史ある巨木を紹介。木の歴史や巨木が生まれる背景、人との生活との関わりなど、「木の旅」をテーマに、各地方の巨木・神木を240本以上紹介。また、木・人・旅に関するコラムなどの情報も充実。

(C)【歴史キング】×【御神木マニア】

ユーチューブちゃんねる{御神木マニア}@goshinbokumania

鳥居を抜けて神社の境内に入ると、そこに御神木があった。 全国各地に鎮座する神社の数は、約88,000社以上と言われています。神社の数だけ「御神木」が存在するといっても過言ではないでしょう。 各地に鎮座する、神の宿る「御神木」、その中には、強烈なパワーを感じる樹木や、息を呑むような巨大な樹木が存在しています。 樹齢数百年から、古いものでは、千年、二千年という「御神木」も珍しくありません。 「御神木」には「御神木」となった理由があります。そんな「神の宿り木」となった「御神木」の数々をご紹介します。

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